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目の下のくま治療 - Negative Vector症例の治療戦略と経過

こんにちは。今回は、「目の下のくま」に悩む多くの方々に参考にしていただきたい症例をご紹介します。


-中学生からのくま悩み - Negative Vectorタイプの特徴


目の下のくま
目の下のクマ(Negative Vector)


今回ご紹介する患者さんは、中学生の頃からくまに悩んでいたケースです。この方の特徴として重要なのは、いわゆる「Negative Vector(ネガティブベクトル)」と呼ばれるタイプであるという点です。

Negative Vectorとは、単なる加齢変化ではなく、骨格的な要因でくまが目立つタイプを指します。具体的には、頬骨の位置が後退している、または眼窩(目の周りの骨)の形状により、目の下に自然と影ができやすい骨格構造を持っています。

このようなタイプの場合、表面的な治療だけでは根本的な改善が難しく、中顔面からの治療戦略を立てる必要があります。


-目の下のくま - 治療アプローチの選択肢

Negative Vectorタイプのくまに対する治療アプローチには、大きく分けて以下のようなものがあります:

  1. 外科的アプローチ:ハムラ法(眼窩脂肪を再配置する手術)

  2. 中顔面のボリュームコントロール

    • ミッドフェイスリフト

    • 脂肪注入

    • ヒアルロン酸注入

治療方針を決定する際に最も重要なのは、患者さんがどこまでの治療を希望されるかです。外科的な施術に抵抗がある方も多いため、まずはヒアルロン酸注入などの非侵襲的な方法から始めることも多くあります。

ただし、ヒアルロン酸のみの治療にも限界があることは、事前に十分ご理解いただく必要があります。特にNegative Vectorタイプの場合、眼窩脂肪の構造から根本的に治療するには、最終的には外科的処置(ハムラ法)が必要になることが多いのです。


-興味深い症例:ヒアルロン酸治療から裏ハムラ法へ

今回ご紹介する症例は、段階的なアプローチで治療を行った興味深いケースです。

STEP 1: ヒアルロン酸注入による非侵襲的アプローチ


目の下のくま ヒアルロン酸治療
目の下のクマ治療(ヒアルロン酸のみ)

まず最初に、ヒアルロン酸注入のみで治療を開始しました。注入部位は主にゴルゴライン(涙袋の下のライン)とティアトラフ(目の下のくぼみ)を中心に行いました。

この治療により:

  • 中顔面の凹みが改善

  • 眼窩脂肪のヘルニア(膨らみ)とのギャップが減少

  • くまが目立ちにくくなった

ヒアルロン酸のみの結果としては、非常に美しい仕上がりとなりました。(この症例はBIANCA CLINICの南寿美先生による施術です)


STEP 2: 裏ハムラ法による根本的アプローチ


目の下のクマ治療(裏ハムラ法)
目の下のクマ治療(裏ハムラ法)

約1年後、患者さんが手術を受ける決心をされたため、まずヒアルロニダーゼを用いて注入したヒアルロン酸をすべて溶解しました。その後、裏ハムラ法による外科的治療を実施しました。

裏ハムラ法による治療の結果:

  • 眼窩脂肪のヘルニアが改善

  • 涙袋が自然に美しく出るようになった

  • 中顔面にボリュームが移動し、涙袋から頬にかけてS字のくびれが形成 (このS字ラインは目元の美しさを決定する重要な要素です)

患者さんは術後の結果に大変満足されており、追加の注入療法は現在検討されていません。


-治療戦略の考え方

私たちの治療哲学として大切にしていることがいくつかあります

  1. 個別化されたアプローチ:患者さん一人ひとりが目指す理想の形は異なります。例えば、裏ハムラ法と脂肪注入を同時に推奨することはほとんどありません。

  2. シンプルな治療戦略:すべての施術にはリスクが伴うため、必要最小限の介入で最大の効果を得られるよう、シンプルな治療戦略を心がけています。

  3. 段階的アプローチ:今回の症例のように、まずは非侵襲的な方法から始め、効果と限界を確認した上で、必要に応じて外科的アプローチに移行するという段階的な治療も有効です。


-まとめ


クマ治療比較
クマ治療比較

今回ご紹介したのは、Negative Vectorによる目の下のくまにお悩みの方が、ヒアルロン酸注入と裏ハムラ法という異なるアプローチでどのような変化を得られたかを比較できる興味深い症例でした。

くまの原因は人によって異なり、それぞれに適した治療法があります。特にNegative Vectorタイプの場合は、中顔面全体を考慮した治療戦略が重要です。

ヒアルロン酸注入は即効性があり侵襲が少ないメリットがある一方、持続性に限界があります。一方、外科的アプローチは一度の施術で根本的な改善が期待できますが、回復期間や手術特有のリスクを伴います。

患者さんご自身の希望や生活スタイル、予算なども考慮しながら、最適な治療法をご提案していきたいと思います。

目の下のくまでお悩みの方は、まずはカウンセリングでご相談ください。あなたに最適な治療プランをご提案いたします。


BIANCA CLINIC 銀座院院長 雜賀俊行

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【術式】裏ハムラ法

【料金】表ハムラ法 602,580円

【麻酔方法】局所麻酔、静脈麻酔

【リスク】左右差・拘縮・外反など

【ダウンタイム】腫れ・内出血2週間程度

【抜糸】なし

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